ノンバーバルと作曲

行動心理学とか表情分析とかの本を読んでます。

今回も、読書の話です。今回は心理分析系のお話です。私は音大で一般選択科目を心理学と音響学を取っていました。両方とも結構面白かったです。
さて、今回はなんですが元FBIの方の経験談から人間の無意識の行動には心理作用が大きく働くというお話です。
以前ミニマリズムに触れましたが、その感覚で一種の思考回路の一環として勉強しています。

これが今回の本です。

内容としては、しぐさや表情などの変化から心理状態を見抜く基礎基本が書かれているのですが、私は何もメンタリスト「Daimatsu」になりたいわけでは決してありません。(笑)

その中でも私が着目したキーワードが「ノンバーバル」です。日本語にすると非言語コミュニケーションが相当するようです。

簡単に言うと「空気を読む」という奴ですね。ですがこの本で語られるノンバーバルはそれを更に研ぎ澄まし、ある無意識下で出現した行動を分析し、仮定を立て疑問にかえ、解決する。という手順を解説しています。

逆にここに書かれている理論を応用すれば無意識をより有意義に使いこなせるようになるのでは?というか自分の意思と無意識って結構かけ離れた人格なのでは?とも感じました。

では、これを作曲に応用できないかと思い実践してみるとこれも面白い結果が出ましたので記事にまとめ見たいと思います。

私の無意識は、私の意識よりも作曲の判断早い??

人は、不快に思ったりすると眉をひそめ、体を遠ざける・距離をとる行動をするそうです。まぁ当たり前ですよね。普通生きてればそういったノンバーバルぐらいは読み取れます。

ですが・・・自分がどうか?ってあんまり気にしなくないですか?

ちなみに不安になると顔や腕などを触ったりするそうです。

と、ここで作曲中自分がどのような行動をしているか意識的に観察し、一部を録画してみました。

すると物凄く早いのです。無意識の判断が!

「これどうかなぁ~?これでいくかなぁ~?」見たいな事を言っているとき、既にモニターから体を無意識に離しているのです。この本によると嫌悪感などを抱いている時のノンバーバル行動のようです。その後もう一度聞き「やっぱなしだな。」という意識の判断になりました。

逆に同じように迷うシュチュエーションでも、モニターから体を離さずむしろ頬杖などをついて顔を触りながらもモニターに近づくような仕草をするときは、微修正などをいれて改善するような行動を意識下で、しかもかなりの確立で取っていることに気がつきました。顔などを触れるのは不安要素を表すようですが、嫌悪感などは無かった場合のノンバーバル行動という判断ができると思います。

これは一人で分析するのはちょっと難しい部分ではありますが、でもそのときの迷いの強弱は意識下ではそんなに大差は無いはずなのです。

ですが確かに行動には現れていてその段階で既に、無意識の中では心が決まっているように感じました。

つまり、私の意識より早く無意識のほうが決断を下していると考えられます。この書籍では「普遍的なノンバーバル」としてだされた行動パターンですが既に私の中では立証されたということになりそうです。

ここで、横道にそれて無意識をちょっとしらべてみました。

軽く自分の中で解釈した内容としては、意識の数倍~十数倍は「無意識」が支配する時間や領域が多い。ということのようです。

たとえば、つまり人が「慣れる」というこの現象、つまり意識が学習したのではなく無意識がある程度学習し終えたから感じるのではないか?というところです。(いや、今考えれば当たり前のことを言っているかもしれませんが・・・。)

違和感というのもこの無意識が感じ取る事象ですよね。たとえば慣れた道があっても、そこを逆走する機会って全然ない場合、何かの機会に逆走するととてつもなく新鮮に感じたりするじゃないですか。目線が変わるといいますか角度が変わる感じですよね。

つまり、私達の意識の数手先を無意識が常に監視し支配していると考えても問題ないのかも知れません。

では、これらを理論的に解釈するのであれば、私の意識より私の無意識のほうが数倍~十数倍、音楽に精通している存在であるという考え方も出来るのではないでしょうか?

たとえば音楽には暗譜するなんて行為がありますが、これも今までは無意識でも弾けるくらい練習することだ。と思っていましたが実は逆で常に意識下にあっても失敗しなくなるまで意識に刷り込むという方が正しいのかもしれません。

つまり「本番に弱い」とか「練習で120%できないと本番では100%出せない」ってそういうことではないでしょうか?練習するうち無意識はもう完璧に演奏できるようになっていて普段の練習は無意識が担当してしまっていると、いざ本番など心的なストレス要因などの影響で意識が勝り無意識を阻害してしまうと、意識下での訓練が全然足りていないがために失敗してしまうのでは?とこの本を読んで強く感じました。

「意識を集中して練習に取り組め」とか「本番は平常心で」などの言葉もよく聞きますがつまるところ「無意識を上手く活用せよ。」というところに尽きるのではないでしょうか?

今回の論点としてあげた「ノンバーバル」はそんな無意識の出す「無意識語」とでも言うべきモノなのではないかと私は感じています。

「自分を信じろ」って「自分の無意識に蓄積されたモノを信じろ」という解釈も出来なくないはずです。時には「潜在能力」なんて言葉もそこを挿すのかもしれません。

とりあえず、私の場合私の無意識の方が作曲の判断においては早い可能性が十分にありそうです。

これをコントロールすることは出来るか?作曲編

ということでようやく本題です。

つまるところ、自身の無意識が出す「ノンバーバル」を意識的に読み解き「自分の無意識の見解」を作曲に反映できないか?ということです。

作品のクオリティを高めるかどうかは今のところ分かりませんが、効率化は望めるのではないかと期待しています。

ですが・・・。

これがかなり難しい。

とにかく、無意識というやつは私の意識よりも確実にいつも早いのです。気づくのは後追いになってしまいます。特定のノンバーバル行動などは、かなり早く意識が追いつけるようになりましたが、それを分析するのにもタイムラグがまだけっこうあります。

誰にでもといってしまうと、「俺にはない。」とか言われてしまうかもしれませんが・・・。

作曲など創作活動はなにかパワーのようなものが必要じゃないですか。私の場合、当然それが煮詰まったり、干からびたりするわけなんですが・・・。

その場合の解消方法は、人それぞれあるとおもいます。気晴らしにいったりとかいろいろ。でも私の場合最も多いのは参考資料の分析なんですよね。引き出しを増やそうとする行為ですよね。

これいわゆる、理論先行の人のなかには多いのではと勝手に思っているのですが・・・もちろん気晴らしに外出たりとかもしますけども自分の中にまだ何か足りないという感覚のほうが強いんですかね。

私見ですが、この方法はしっかり勉強したひとでないとできない芸当ではありますが、反面理論的に音楽がなりすぎる傾向もあったり、私は移動ド相対音感なので問題ないですが、固定ド絶対音感の人とかだと音基準でやるとバッチリ参考先の音楽にハマって抜け出せなく場合もありますよね。まぁ俗にすごく良く似ている曲・素人さんが言うパクりに近いサウンドって奴ですよね。

逆に移動ド相対音感の私の場合だと、分析結果を主体にしがちで結果的にその参考曲の劣化版のようなものや、いらないものが足されただけの曲にしかならないことも。

つまるところ、悪あがきですよね。(これもクリエーターには大切だとは思うのですよ。)

ですが、無意識はそんな状態にあっても、もしくはそうなる前に予見していたり、もう既に解決策を持っているかもしれません。

それさえ、読みとれたり・感じ取れて「意識と無意識」を上手くコントロールできれば創作活動のパワーサイクルももっと効率化出来そうじゃないですか?

テーマ(モティーフ)の見切りへの挑戦

これはまた、別の作曲上級者向けの内容で動画か記事化しようかと思っているのですが、作曲って結局モチィーフやテーマの段階で自分の中だけでもグッっときたりしないとその時点で駄作とかお蔵入りとかになる場合って多いですよね。

今現状この作曲の初動に対して自分の無意識の意見も含めたテーマやモティーフ作り、ひいては「俺の無意識のお気に入りモティーフ」なんてのから曲を作り始めた方が良いものができないか?と言うような実験もしています。(見極めがまだかなり難しいですが・・・。)

曲にしてもイントロの掴みが重要ですし、最近はイントロとか掴みどころを早期に持ってくる訓練をしています。

最近、海外シーンの曲で日本の方でも好きな人が多いであろう楽曲は、やっぱり掴みが早いです。始まって30秒以内には曲のテーマかモティーフが見えるものがほとんどですよね。

アデルの「Hallo」なんかはもう曲中ほぼ同じコード進行で最初から最後までテーマみたいですしね。曲の区切りは彼女の歌い方とバックの音の厚みだけで付けている感じです。それが洗練されててカッコいいです。

後個人的に、いいなぁと思うのはザ・チェインスモーカーズ の「Closer」なんかは今年聞いてもまだまだ全然いい感じです。最近の「Paris」もいいですけどね。「Closer」の方がよりテーマやモティーフが大切にされている気がします。

また「Closer」はMixがいい。ヴォーカルの処理を曲展開に合わせて細かく設定してますよね。定位もしっかり変わるので曲の展開も分かりやすい。最後の大サビに超低音成分を取っておいてあるのもカッコいいです。

とまぁ、こんな風に分析する前に質感で「イイかんじやん!」ってなる曲はテーマやモティーフがいいしそれを繰り返し使うという曲構成がより分かりやすくクールな印象にしているのは間違いないですよね。これ多分、多くの方が無意識の蓄積からの判断であることは間違いないと思います。

何気なく聞き流していても「んっ!」と来る曲には意識むくのは無意識がそっと教えてくれてるからなのではないでしょうか。特にGPMなど定額音楽配信サービスに手を出してからはコレが本当に増えました。色々なプレイリスト回すだけでも本当に勉強になりますしね。

これを自分の作曲に活かせればっ!!!ということで引き続き、無意識の自分の声を聞けるように試行錯誤していきます。コツとか分かったらまた記事にしたいと思います。

最後に

さぁ全国の悩める、クリエーターの皆さん。アイデアを求めるみなさん。色々な対策をお持ちかと思いますが、ココで一つ「無意識の自分自身」に聞いてみるというのもアリではないでしょうか?
何よりあなたを一番理解し、いつも気にかけてくれている存在だと思い接することで自己解決できる内容も・・・増えるかも??笑

特にクリエーター職は明確な正解が見えにくい商売ですので、そうしたストレスなどから自分を守る方法としても有効かもしれません。(まぁ行き過ぎないようにしないと多重人格になりそうですね汗)

ともかく、この本はクリエイターや作曲家にも実入り多い本だと思います。

大きさも普通の小説本くらいのハンディサイズなので、カフェとかでも読みやすいと思いますよ!

ではまた次回。次の雑談はまたミニマリズムの話がしたいですね。