【2-1】転調が必要になった理由。

はい・・・日をまたいでごめんなさい。

今日も行きましょう。今日は予告どおり「転調の必要になったのは?」と言う点です。

飽きさせないために

どんなに優れたメロディでも、10分15分という時間のなかでは飽きを生みます。

クラシックの交響曲ともなれば時間にして1時間規模の音楽です。

そこで、響きの基本を変えてしまうことで、12のキー、24の調を駆け回ることで同じモティーフでも飽きさせずに聞かせることができるといえます。

つまりは、長い時間にも耐えられるように転調は必要であるといえます。

音楽に区切りをつけるために

これは、特に古典派のクラシック曲がものすごーく分かりやすいです。

「ソナタ形式」「三部形式」「ロンド形式」などなど、このような形式は調変化を元に分析(アナリーゼ)することができます。

つまり、転調は曲に区切りをつけたり、場面をくぎるなどそういった役割も持っていたといえます。

では、現代においてはどうか?

通常の調性音楽における現状はというと・・・ジャンルにもよりますがクラシックほどの「転調」という「転調」はあまりありません。

特に、Popsソングにおいては「借用和音」はあっても「転調」は珍しいぐらいです。

その主な原因として、たとえば同主短調への転調などをされると、声楽の訓練などを受けていない一般の人などでは気軽に口ずさめません。

そして聴覚的にもはっきりキーが変わると不自然なってしまうケースの方が多いのです。

ウタモノと呼ばれる音楽は長くても1コーラスが2分30秒ほどのはずです。 曲全体でイントロからアウトロまで7分以上ある曲と言うのは珍しいはずです。

「トイレの神様」いい曲でした、全尺10分ごえぐらいですかね?紅白で尺云々というニュースが頭にあります。(私は紅白はもう何十年も見てないのでそれがどうなったかは分かりかねますが・・・)

聞いた感じ、転調はないなと思いましたが念のためコード譜を見ることが出来たので確認してきましたが、やはりドッペルがあるくらいでした。

実は、私の元に質問を寄せる方が書きたい作風の曲には「転調なんてそんな必要ない。」ケースが多いのです。

普通尖ったジャンルでもない限り、頻繁に転調を繰り返すというのは不自然なのです。

とくに現代の曲においては転調と言うよりむしろトランスポーズの方がカッコイイし主流なジャンルも多いですよね。

今日の総括

「転調」は技巧的に難しいですが、実際の曲に用いるにはもっと難易度が上がります。

またそれが効果的かどうかと言うのは聞いていたらすぐに分かります。

現代の曲には「転調」よりも「借用和音」が多用されます。

明日はこの辺を、見ていきます。

ではまた明日。