GOLDに付属する強力な空間系プラグイン
第8回目となります。前々回はリバーブ、前回は「H-Delay」で丸々尺を取りましたので 今日は残りのディレイ系をやっていきます。
GOLDバンドルにバンドルされている空間系
- Renaissance Reverb
- TrueVerb
- IR-L Convolution Reverb
- H-Delay Hybrid Delay
- SuperTap
- S1 Stereo Imager
「SuperTap」はステレオパンナーとして非常に優秀
「SuperTap」は、かなり奇抜な見た目で戸惑う方もおられるのではないでしょうか?こいつも役割としてはDelayに属するプラグインです。 プラグインの種類としては2ステップと6ステップとありますが、用はディレイポイントが何個あるのか?という違いです。
このプラグインの真価は、この複数のMONOディレイをステレオパンニングすることが出来、非常に複雑な残響効果を得ることが出来ると言う点です。
通常はステレオエコー的に2ステップを使う用法の方が簡単で一般的だと思われますが、コレは通常のステレオディレイや、ピンポンディレイでも同様の効果を作り出せますので簡単です。
ですがこの、6ステップが作り出すなんともいえないステレオ感のディレイは私の知る限りでは 「SuperTap」でしか作れないという印象があります。
実際の音を聞いていただきましょう。
6ステップをフルに使った音
原音
前回と同じの原音です。前回の記事には「H-Delay」をふんだんに使ったレシピ的なものを含めの乗せていますのでまだ読んでない人はチェックしてみてね!
「SuperTap」6ステップをフルに使った非常に綺麗な立体ディレイ

非常に綺麗です。また6ステップ全部使ってますので強いアーリーリフレクション付きのリバーブにも似た質感になりますね。
多重でかける場合、ハイカット/ローカットを上手くごちゃ混ぜにしつつ使っています。今回は初期値のカット7K付近でハイカットかローカットかだけを変更してしつこすぎないサウンドになるよう適当に調整しています。
またキッチリした質感を出すために反響はパンニングと一緒にそろえてあります。これでバランスを取っています。このようにほぼ初期設定でもなかなか面白い効果が得られるのは着想を得やすくていいですよね。
今回はダイレクトを切っているのであくまでステレオ感が増しただけと言う印象です。今度はコレも踏まえて全体的なステレオ音像を構築してみますね。
私が思う「SuperTap」を使った、今回の音源の空間表現の最適解その1

こんな感じでしょうか?リズムもベースもいないギターのみの多重録音ですのでステレオ感を強めに取る形で組んでみました。
今まで無い処理が一つだけ入ってます。前回記事の最後の方にディレイ成分にリバーブをかける。と言う手法を使ったの覚えてますか?その応用で、今度は左右に振ってあるリフをそのリバーブにセンドしています。で、もちろん返りはセンターに寄せています。
そうすることで響きの土台を安定させる定番のテクニックと言うヤツですね。結果非常に複雑な空間成分が完成しステレオ感が非常に強いトラックになります。
ここでリードなど埋もれたくないトラックはディレイからダイレクトを返してやるのが効果的だったりします。もちろん後に音量調整のための修正に時間がかかりますが質感はより自由に決められるのがメリットで私は最近良く使います。
「SuperTap」の設定自体は、MS単位で微妙にずらし、カットオフも方向性は同じですがカットポイントをずらし、6ステップのディレイすべてが異なる音色になっています。リバーブで一体感を加えることで原音の輪郭を失わせること無くステレオイメージを豊かにしてみました。
「SuperTap」はやはり面白いですね。ですが反面トラック数が多くなるジャンルでは目立ちすぎるので乱用はやめた方が良いと思います。
いかがでしょうか?今回も「SuperTap」で1記事になってしまいました。次回は残りのステレオイメージ系を解説しつつ、残りの音色加工系も見ていきましょう。
最後にはGTRなんかで音作りも面白いですね。そんなのを考えておきます。
それでは次回をお楽しみに!