【Mix考察】コンプレッサーの用法②【音圧/音量/グルーヴ制御】

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2017追記:最近アップしたコンプの動画のほうがわかりやすくより良い内容になっています。コチラをご参照ください。


第二回は実際に設定画面と音源で実践していきます。

はい、今回は第二回目です。コンプの基本用語等は第一回を読んでください。2回目では基本的に用語の説明は無いですので、初心者の方は見比べながら見てください。

コンプに求めるものは、個人差があります。質感にこだわる人もいれば自分のMixになじむようにクセの無いものを好む人もおられますしまさに十人十色といったところです。

ここでは、私の視点での解説になりまます。私がコンプに求めるものとして一番重要なのは質感と効きです。

コンプによるレイヤー感

はいまずはコンプによるレイヤー感のお話です。レイヤーって皆さん聞きなれないと思います。そもそもDTM用語ではありません。

アドビのフォトショとかイラレとか使われる用語で、重ねて前後差を利用するときに使う機能のことなのです。

実は、このコンプを説明するときにこのレイヤーをイメージするととても分かりやすいのです。

とりあえず今回のお題となる原音を聞いてみてください。

▼原音▼


はい、今回は久々にギターをラインでとってみました。久しく弾いてなかったので演奏がヒドイですがその点はご了承ください。(しかも3~4テイクもとってなくて一本取りです。ゴメン!汗)

バッキングとメロディの2つのオーディオトラックから構成されているのは聞いていただければお解かりいただけると思いますが、アンプシュミ以外はノーエフェクトです。

アンプシュミの設定もまったく同じです。違うのはギターのピックアップをバッキング時はフロントシングルコイル・メロディ時はフロントハムで演奏しているくらいの違いです。もちろんギターも同じギターです。

マスターにクリップ防止としてリミッターと軽いローカットフィルタが掛かっています。

今これを素直に聞くと、メロディとバッキングが同じ音量・同じPaningのせいで、メロディが聞きづらいと思います。しかも音量レベルに差がありすぎるため余韻とアタックの差が激しく耳に痛く感じてしまいませんか?

そこで、この二つにコンプ処理を施してみたいと思います。

今回は「waves/C1」というコンプを使って奥行きを感じてみたいと思います。

▼奥行きを感じてみよう。▼
音源はこちらです。


設定画面です。上:バッキング 下:メロディ 最後のマキシマイザで音量を整えています。
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はい、聞こえにものすごく解るくらいがっつりかけてみました。

どうでしょうか?先ほどの原音に比べて、メロディが前に、バッキングが一枚後ろに聞こえませんか?DAWのボリュームフェーダーはまだ全然いじっていません。EQもまだ掛かってません。

それでもなんだか、前後差がでてませんか?これがコンプレッシングによるレイヤー感です。

これは圧縮率にもよりますが、それよりもアタックとリリースが重要です。アタックが遅いほど、音の立ち上がりがしっかりと出るため発音の存在感がでます。リリースが遅ければ遅いほど余韻成分が圧縮されるため、余韻のパワーが削られすっきりとする印象をうけます。

このようにコンプの圧縮時間によって音を聞こえに前後させることが出来ます。しかしメロのグルーブがいかに悪いかと言うのがこれでさらに明確になってきますね。汗

▼波形編集&トラックワークを盛り込む▼

では、一般的に行われる波形編集機能でもうすこしこの下手なギターをマシにして、トラックルーティングをくみました。

またコンプの種類も変えてあります。

音源はこんな感じに


こちらミックスコンソールの画像です。
TM-Compfx001
メロトラックをダイレクト音とMixし重厚にしておき、バッキングトラックは2本にしてLRに振り分けていあります。

pfなどの音取りの関係ないトラックなどもありますがそちらは気にせずお願いします。

コンプワーク

バッキングのコンプ
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メロディのメインギタートラック
TM-Compfx003

マスターのトータルコンプ
TM-Compfx004

このような流れでかけています。

解説

今回は、比較のために音色メイクとイコライジングをケチってしまっています。そのためメロディで高音を使う場合にアタックですこし耳に痛い音が多くなってしまいました。

今回はそれを軽減するべくダブルコンプでつぶし気味にして、その効果をすこし抑制しています。軽く空間系もかけましたが、本来はこのトラックに対してももっとこだわったイコライジングと設定をするべきです。今回はプリセットそのままに、センドレベルだけでバランスを取り、ハイローパスだけチャンネルストリップで行いました。

LRに振り切ったバッキングトラックは、Mixレベルでの音量もすこし控えめにしつつ、アナログのINOUTコンプで結構アバウトに-6~7dbほどしっかり目につぶしています。

リリースも多めにしておき、レシオを軽めにしてちょっと抑揚を残してみました。これによってより後ろに聞こえるはずです。

これにより、最初のトラックと比べて全体的な音量感が増え、かつ音の前後感覚がはっきりしたと思います。

まとめ

はい、第二回でした。

つぶされている感分かっていただけましたでしょうか・・・。レイヤー感も出ていたでしょうか・・・。

私見でしたが、ご参考になれば幸いでした。