【スケール(音階)】ペンタトニック+αの解釈【理論と用法】

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「ペンタ」を学習するにあたり

はい、今回は「ペンタトニックスケールってなんですか?」と言う質問を解説したいと思います。

この記事の理解には、「音程」「スケール(音階)」「非和声音」の楽典的知識が必要です。

ペンタトニックスケール/略:ペンタ(五音音階)は、アドリブ演奏やコードワークを意識しすぎたくない音楽ジャンルで多用される傾向にある音階です。

通常の長調/短調(アイオニアン/エオリアン)は、西洋音楽シーンで基本とされる音階ですよね。ペンタトニックというのはそこから2つの音を抜くことで成り立ちます。

ここで、すこし難しい話をしておきます。スケールと言うのはあくまで、「ある音から1オクターブ上の同じ音まで到達する間にどの音を弾いて、どの音を弾かないか?」なのですが、逆に言えば、開始の音をずらし、同じ音程差を守ることで12種類が現れ(12キー/24調の概念)、構成音を守り、同一スケール上で開始音(中心音)を変えて演奏するとそのスケールノートの数だけ違うスケールが出来ます。(モード/教会旋法の概念)

まぁこれはこんな短い文章で語るべき内容ではないので、まだ勉強していない方は「へぇ。」くらいで置いておいてください。

大事なのは、スケールとはどこを基準に見るか、どう管理するのかでとらえ方や意味合いが変ってくるということだけは押させておきましょう。

ペンタの成り立ち

では、実際にやっていきましょう。ここでは24調ではなく12キーの概念で考えてください。

ペンタは簡単に言うと基本となる、メジャー・マイナースケールから特定の2つの音を抜くことで、その形を形成します。

日本語では、「四七抜き音階(よなぬきおんかい)」なんてペンタのことを呼んだりもしますよね。

これは、長調/メジャースケール上の下属音(Ⅳ)と導音(Ⅶ)を省くという意味をさし、それらが抜かれたスケールがまさにペンタトニックスケールになります。

Cメジャー/Aマイナーペンタ

12キーの概念で考えてください。(平行調も同一モードスケール上の1つ)
◆前者がCメジャーで後者がAマイナーのペンタトニックスケールのMIDIロール◆
pt01
◆前者がCメジャーで後者がAマイナーのペンタトニックスケールの響き◆

はい。まさにペンタの響きですね。このスケールがなぜそんなに重宝されるのかは、実は前にやりましたリハーモナイズの記事でも紹介した、「コードの3thノートとぶつかる音=アヴォイドノートといわれあまり美しい響きとはいえなくなる。」というのをオマケを覚えておられるかたもいると思います。
これは、スケール中に存在する半音のポイント同士(キーCの場合EとF/BとC)でおこりえます。

ペンタは、その半音同士のポイントのどちらを削ることで半音衝突を避ける構造になっていることがわかりますよね。(メジャーの場合、ⅣとⅦを省くことで半音進行がなくなっていますよね?)

これにより、例えばキー:Cの場合、ダイアトニックコードで構成された響きの間であれば、Cメジャーペンタか、Amペンタを演奏していれば、まず不快な響きになることは少ない。という理論が確立されます。

つまり、アドリブ演奏をする場合において変化音が出てこない進行であれば基本的にペンタで演奏していればそこまで変に聞こえないし、手ぐせでも乗り切れるます。故にロックのソロから、JAZZに至るまで様々なジャンルで活用されています。

ペンタを有効活用するには?

そんな「万能スケール」とも思えるペンタトニックですが・・・実はそれをどう演奏するのかでものすごい違いが出るのです。

例えば・・・こんな感じにひいてしまうと・・・。


はい。「よっ!演歌!」みたいな雰囲気に聞こえてしまいませんか?そうなのです。このメジャーペンタは演歌に多用されるスケールでもありこのように「表拍を強調してストレートのリズムで演奏すると演歌っぽく聞こえます。」

では、こんな感じに演奏してみると・・・


はい、ちょっと下手で申し訳ない。その場で即興でやりましたのでかなりヨレヨレですがご了承を。

どうでしょうか?こんなカンジで演奏するとさっきとは結構聞こえが替わると思います。これがペンタのすごいところなのです。

演奏方法として、ちょっとスイングしているように演奏したりこれから紹介するある音を入れるだけでとってもおしゃれになります。

またアドリブっぽさを出すには、必然的に装飾音が少なからずはいると覚えておいてください。

ブルーノートとは

はい。ペンタの奏法に欠かせないのがこの音「ブルーノート」です。この音をはさむだけでかっこよくなります。これは聞いた話なのですが・・・ブルーノートは「スケールからみて♭5の音が一番近い」とされます。(正確には微分音だそうです。)

教則本によっては、ペンタ+♭5のスケールを「ブルーノートスケール(例えばCだとCメジャーブルーノートスケール)」と書いている本もあります。

後日追記訂正:メジャーブルーノートの位置が間違っております。以降にでてくるメジャーペンタの変化音は♭6thであり、通常は♭Ⅲの音になります。ですので、Cメジャーブルーノートスケールの変化音は♭Eの音です。ちなみにこの間違えて出しましたスケール(メジャーペンタ+♭6(私は#5もしくはOugと解釈します。)は私がメジャーペンタの際最も良くつかうスケールです。試してみてください結構かっこよく仕上がります。

◆MIDIロールにするとこんな感じです。◆
pt02
◆演奏するとこんな感じ◆



そのままスケールを演奏しても、ちょっとブルージーな印象を受けると思いますが、こういったスケールはフレーズを作るのが本当はとっても楽しいのです。

基本的にこの音以外使わずに、以下にカッコイイスケールワークを作るかがミソです。

◆例えばこんなのいかがでしょうか?◆


これらフレーズもペンタ+♭5で構成されています。(後日追記をお読みください。メジャーのブルーノートが間違っています。)

まとめ

はい、以上がペンタトニックスケールの説明でした。

ダイアトニックコードワーク上であれば縦横無尽に飛び回ることができますので、めくるめくアドリブ感の喜びを感じていただければ幸いです。

すべてのスケールにおいて言えますが、作曲と連動して考える場合、同時にフレーズワークも大事です。

ライブ演奏できるほど上手になる必要はないので、あるスケールをすぐ手になじませてフレーズメイクできるくらいにはしておきましょう。

また今回はギターではやりませんでしたが、ギターもペンタソロぐらいなら比較的簡単ですので、ピアノにはない弦特有の表現などもありますのでチャレンジしてみてください。

私ももうすこしマシになるように練習していきます。