【作曲には】作曲を始める3つの始点【コツは無い、が手法はある。】

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作曲の始点によるメリット・デメリット

◆音声解説をご用意しております。◆
音が出せて、お時間がある方私の地声で恐縮ですがお試しください。


これは、曲中で織り交ぜたり、インスピレーションに大きく影響する項目だと思われます。
今回は始点による違いや得られやすい効果などをつかって、「どこから書き始めればいいですか?」という質問に答えてみたいとおもいます。


大きな3つの始点

  • コードワーク(和声進行)から考える。
  • メロディから考える。
  • リズムから考える。

この3つを題材に考えてみたいと思います。

コードワーク(和声進行)から考える。

まず、コードワークから考えて始めていくスタイルです。

メリットは、すばやくしっかりとした曲を構築しやすいです。響きの基礎が固まっている状態ですので背景がすでにある状態に近しいですね。

反面ここから曲を作り始めるには、楽典・コード学や和声学といったある程度の理論的な思考を求められます。逆に言えば、素人さんには難しい手法といえます。

またデメリットとしては、コードを敷いて作り始める場合メロディワークが堅くなりやすいという傾向が生まれます。

コードワークは、音楽的繋がりが薄いコードを連ねるというのは非常に不自然になりやすく、一度一連の流れを組むと後の変更は代替程度に限られるという弱点があります。

特に調関係を重視する音楽では、自由とはいうもののこういった不自然さは敬遠されます。

メロディから考える。

次は対極です。旋律・メロディから考えて行くスタイルです。

メリットはだれでも行えて、自由度も高く曲のイメージを決定付けることも可能という万能と思えるようなやり方です。

デメリットは、その自由度ゆえに音楽的な経験値が露骨に出てしまう手法とも言えます。まず致命的なのが調を意識できていない。もっと行くと十二平均律を意識できていないと追われるメロディになっている場合があるという点です。

私見ではありますが、メロディに関しては微分音含めあらゆる可能性があります。(和音の場合はもうすこし深い考慮が必要になりますが・・・。)

音楽的なもので上げても、ビブラート音やベンド(チョーキング他)音、ブルーノートなど音楽的な微分音は多いです。が、それもある程度枠の中での話しになります。

これは実はコードワークから曲を作る時より、知識や経験を必要とします。作った旋律に対して効果的なコードワークを付けるという作業は初めから下に引いている場合とは違い、同じ調でも複数のパターンが考えられ、他調の和音も視野に入れれば音楽的な響きだけとっても何百通りの完成形が考えられます。

この手法は、実はかなり上級者むけの手法です。Popsでは「リハーモナイズ」、クラシック的であれば「和声付け・ソプラノ課題的」というやり方になります。

後になればなるほど音楽的知識・経験が必要になる作り方です。

リズムから考える。

この手法は前記した2つの方法よりはるかに直感的なやり方が出来ます。

メリットはそれだけで風味が付くという点です。ジャズの4ビートスイングするライドが出てきたらもうそのリズムに合わせるしかない! バチーダ奏法などボサノバを代表するリズムをギターや鍵盤でまねるだけで、南国風味が漂ってきます。

突き抜けるBPM180オーバーの8ビートが聞こえれば、だれでもロックな感じになるのではないでしょうか?3/4拍子で、ズンチャッチャと引けば舞曲(ワルツ)のようにきこえますよね。

リズムはそれほど強い力をもっています。

また既存楽曲の一部のグルーヴを音楽的に使用しようとする、DJセンスによる音楽はこの考え方のひとつの究極点といえると思います。

俗に「ディグ」といわれる様々な音楽から抽出したサンプルを一つのリズム上に配置し、新しい音楽を生み出すことで良い意味でのカオス・音響的な音の充足を得ています。

デメリットとしては、素材に頼る作り方になるとその素材にあわせた曲作りになるという点です。

クオリティは高く仕上がりますし、今の時代には欠かせない考え方の一つです。がその反面ツールの使用が大前提になってくる手法ですよね。

まとめ

最終的ににはこれらを組み合わせて作っていくことになります。

自分のスタイルの確立は大切です。私もやはりやりやすい方法とやりにくい方法があります。

ご自身がやりやすく。クオリティを高められる方法を日々模索する手助けになれば幸いでした。

ではまた次回です。