「コード(和音)」は「音程」で覚えれば楽勝

コードは音程差でまとめとけば楽勝

コードの理解度が低くなってしまう人の典型的な間違いの一つに、コードの構成音を丸覚えしようとする。というものがあります。

講師をしているとこの覚え方で始めた人に会うことが間々あります。

丸覚えが絶対的に悪いとはいいませんが効率は最悪です。12個の音がルートになるということを考えるとコード1種類につき12種類の暗記を強いられます。基本的なコードの種類だけでも数種類ありますので簡単に100を超える数を暗記しなくてはいけません。

またコードはこの後に出てくる、ダイアトニックスケールとダイアトニックコードという作曲に欠かせない考え方の上で考えねばなりません。簡単に言えば暗記したコードの役割まで覚えなければならないので途轍もない暗記力が必要になります。

ですが、私がオススメする「音程でコードを覚える」ということをマスターすれば暗記する量は必要最小限でよくなります。いえもっと極端に言うと暗記の必要すらありません。紙一枚に走り書き程度で済みます。

では実際に表にするとどうなるかやってみましょう。

基本コードとよく使われるコード

ここではよく使われるコードを「基本コード」と呼びその内部音程差を見ていきます。
※R=ルート(根音):始まりの基準となる音のこと

コード名 音程差 表記例(RがC)
メジャー R/長3度/完全5度 C
マイナー R/短3度/完全5度 Cm
メジャーセブン R/長3度/完全5度/長7度 C△7
マイナーセブン R/短3度/完全5度/短7度 Cm7
ドミナントセブン R/長3度/完全5度/短7度 C7
ハーフディミニッシュor
マイナーセブンフラットファイブ
R/短3度/減5度/(短7度)
※3和音でも成立する
Cm7♭5
ディミニッシュ(セブン) R/長3度/減5度/(長6度)
※短三度積みの特別なコード
Cdim(7)
オーグメント R/長3度/増5度(短6度)
※長3度積みの特別なコード
Caug
アドナインス R/短3度/完全5度/長9度
※長9度を長2度と考える場合もある
Cadd9
(セブンス)サスフォー R/増3度(完全4度)/完全5度/(短7度) C(7)sus4
シックスス R/長3度/完全5度/長6度 C6
メジャーセブンスナインス R/長3度/(完全5度)/長7度/長9度
※5度の音は省略可
C△7(9)
マイナーセブンスナインス R/短3度/(完全5度)/短7度/長9度
※5度の音は省略可
Cm7(9)

以上が比較的よく見るコードネームだと思います。各コードの構成音の音程差を見ながらコード基本に触れてみましょう。

メジャーコードからどう変化するか?という覚え方

ここでもう一つの覚え方も紹介しておきます。それは基本となるメジャーコード(別にマイナーコードでも可)などからどのように構成音が変化しているか?という点です。

上の音程差表を見てみるとある程度共通している部分が見えてくるのではないでしょうか?

実はコードというのは、メジャー/マイナーコードを中心にして、ある音が変化したり、味付けの音が加えられることによって複雑化しているだけでその本質は本当にシンプルなものなのです。

その点を逆手にとって、その変化だけを覚えてしまうというのも手です。

表に出ていない難しいコードはどすれば?

コードの種類は上記以外にも細かく挙げればきりがないほどあります。イレブンスやサーティンス、それらに♭や#をつけた変化形など本当にたくさんあります。

ですが上記表以上の複雑化されたコードは、音楽理論と並行して覚えたり、参考にしたい曲で出てきたときに考えればOKです。

なぜならばテンションを多く含むコードをある種矛盾なく考えるにはかなり高度な音楽理論が必要になるからです。

ですが、ここで勘違いしないでいただきたいのが理解してなくたって別に使ってもいいという点です。試しに使ってみても何の問題もないので珍しいコードを知ったら使ってみるといいでしょう。

「でも?どうやって使えば?」と思った方はこれ以降に出てきます「ダイアトニックコード&スケール」や「カデンツ」というものを勉強していただけると使い方がよくわかると思います。

次回はその話もしていきたいと思います。