制作を阻害する「プレイバックシンドローム」について

制作が思うように進まない。そんな時…

はい。今日は私が勝手に名前付けて目の仇にしている現象「プレイバックシンドローム」について書いてみたいと思います。

たとえばこのプレイバックシンドロームに陥ってしまうと以下のような症状が出たりします。

  • 曲が最後まで仕上がらない
  • クオリティにむらを感じる
  • 思った質感やイメージに近づかない
  • 修正を何度も入れてしまう

このような状態になった場合、プレイバックシンドロームを疑ってください。

プレイバックシンドロームって具体的になに?

プレイバックシンドロームとはDTM(DAW)の再生/停止の機能を使いすぎてしまい、完成から遠のいたり、クオリティの悪化を招く状態のことです。
私が生徒さんに教えるときに名前が必要だったので適当につけただけの呼び名で正規名称とかそういうのではないですが、この感覚はおそらく多くのDTMerさんが少なからず体験されていると思います。

そもそも、「再生/停止の機能を使いすぎ」とはどういうことか?というところですよね。

確認は大切ですが、曲の全体像も見えていない状態で繰り返しきいて部分的に修正するというのは、私の経験上あまり効果的とはいえません。

そればかりか、DAWの場合簡単に何度も再生できてしまうので、聞き込むうちにその部分だけに集中してしまい結果曲全体が見えなくなってしまうことがあります。

それが最も簡単なプレイバックシンドロームに陥った状態です。結果として気付けば全然制作が先に進んでいなかったり、一向にクオリティが上がってこなかったり、気に入った部分の続きや繋ぎが作れなかったり~等色々な問題を引き起こします。

大事なのはあくまで曲にすることだと思います。前に進む力を奪うものは敵です!

またDTM最大の利点は、一度全体を作った後でも何度でも微修正が効くという点です。つまり曲の全体が仕上がらないうちから何度も何度も聴いて確認したり修正したりする必要はそうありません。

プレイバックシンドローム対策

16小節法

まずは簡単な対策です。これは制作初期の段階では16小節以下のプレイバックはなるべく行なわないようにし、一通り聞くときは必ず曲の最初から最後まで聴くという方法です。
これにより、部分的と全体というバランスを保つことで制作速度の低下を防ぎつつ全体のバランスも見失わないようにするのに効果的です。デメリットとしてはリスニングの絶対時間が増えます。

仮置き法

一番オススメのやり方です。もう書く曲の形式や構成がある程度決まっている場合、「とりあえず」その尺を簡単にでもいいので一回ある程度の素材や音を置いてしまう。という方法です。たとえば頼まれた楽曲がBPM140くらいで1分40秒の尺と決まっているならばとりあえずそこまでの流れをすぐに入れ込んでからクオリティを上げるというやり方になります。
初心者さんの場合もとりあえず絶対に必要でここまで書ければOKという絶対時間を最初に出しておけば、心に余裕が生まれやすいはずです。

工程分配法

これは上級者向けの方法です。これは作曲/トラックメイク/Mix/Mastering の4工程でどこで何をするかを事前に決めておくという方法です。たとえば最終的な広がりはマスタリングのMS処理で調整すると決めたら、トラックメイクではあまり露骨に空間成分を加えないようにするなど作業の分業化させて考えます。
そうすることで微修正の回数がかなり減りとりあえずの全体像がすぐ仕上がりやすくなり、全体を見ながらバランスよくし修正を行なうことで良い結果が得られやすいです。

最後に

最近は花粉症が加速しており、なぜか2回くしゃみがよく出ます。うわさでは悪いうわさをされてると聞きますが・・・。嫌われているのでしょうか・・・。

と、それは置いといて、はやりDAWの利便性に頼りすぎるのも返って危ないぞ。というお話でした。いまだに私もコレによくかかりそうになります。

やはりトラックメイキングまでは、やはり頭の中のイメージが大切だとおもいます。皆さんはどの程度頭で練ってから取り掛かられるのでしょうか?私は大体50%ぐらい見えたかなぁというところで入ります。

この記事は初心者さんや中級者さんに特に読んでいただきたいですね。書けないのは才能がないからとかではなく、少しの知識と経験の差、あとは今やっている作業手順の差でしかないです。あとはインスピレーションとど根性です。

ではまた次回お会いしましょう。